【個別株】4588 オンコリスバイオファーマ これからどうなる? 後編(2/2)

2020年7月28日

みんな大好きオンコリス後編です。2020年6月に入ってからIRを連発し、まさかのコロナ薬開発に関するIRも発表し大暴騰。しかし、その後は1か月下げっぱなしとなりコロナIRの上げを吸収するどころか発表前より株価は下がっています。この先のオンコリスはどうなるのか?主観に満ちた予想と希望を今日は書きたいと思います。

2020年6月以降のIRを振り返る

直近のIRはこんな感じです。財務系の報告以外で今年出した開発に関わるIRの半数程が6月に出ているという固め打ちです。まずはオーファンドラッグの指定について。オーファンドラッグとは希少疾病向けの薬品のことです。希少=患者の数が少ない=市場規模が小さく儲からないので製薬会社としてはビジネスとして開発しにくい薬となってします。そこでオーファンドラッグ指定が行われると助成金が交付されたり、他の薬に優先して承認審査されるなど、各種優遇措置が受けられます。つまり、ポジティブなニュースですが希少疾患なので仮に研究開発が成功してもそんなに儲からないのではないか、という思惑もありこのIRが出た時の株価の動きはストップ高までは届かない程度に伸びました。そこから数日ヨコヨコだったところに、ハンルイ社との提携解消を発表。その翌日は確か寄り底で始まったものの、このところ全く進捗がない上に政府に干渉されてこの先どうなるかわからない中国企業との提携解消はむしろプラスなんじゃないか?という思惑から値を戻しました。10日の食道がんのリリースでは行ってこいの動きになってしまったものの、15日には開発中の薬がALSやアルツハイマー病などの神経変性疾患の治療薬として応用が可能であることを示唆するとうサプライズな内容となり2日間ストップ高となりました。こんなにIRを連発するなんてオンコリスどうした?と皆が思っていた中、19日にはさらに値を跳ね上げるコロナ薬の開発についてのリリースを出し、株価は一気に3800円まで上昇。しかもこのところの連続IRはだす時間を15時と固定するわけではなく場中に出したりするなど、これまでないやり方を取ってきました。しかし、そのあと株価は一か月下げっぱなしとなり現在に至ります。加えてその後RSを発行したうえに、IR連発が嘘だったかのように一か月間沈黙しており、自分たちが報酬をもらうために株価を釣り上げたのでは?とも考えられる会社の動きに、これまで誠実で実力のある会社というイメージが崩れつつあるのが今です。そんなことないと信じたいところですが。

パイプラインはどんな感じ?

【参考】https://www.oncolys.com/jp/pipeline/

テロメライシンを軸とし、その適応のバリエーションや進捗状況をみると期待に満ちた充実したラインナップとなっています。テロメライシンについては中外製薬に昨年導出が決まっています。導出とは、オンコリスが見つけた薬の種だけど、開発するには莫大なお金もかかり実際に開発成功するかもわからいので、大きな製薬会社にお金で権利を売るよっていうことです。開発の進捗や販売マイルストンを含め、500億円以上で契約しています。さらに開発が成功し販売開始となった暁には、中外製薬の販売した売上に応じてロイヤリティ別に受け取る契約をしています。つまり、テロメライシンがうまくいったら中外製薬から500億+αがもらえます。とはいえ、薬の開発はシードの発見から開発成功する確率は3万分の1。フェーズ2から3への移行率は3割、フェーズ3の成功率は6割といわれているので、すでにフェーズ2のパイプラインが3つあるオンコリスといえどまだまだどうなるのかわからないというのが事実です。うまくいってほしいです。

これからどうなる?

下げっぱなしの1か月

基本的に売り上げがないバイオ銘柄はPERなどのファンダメンタル分析が意味をなさないのでやってもチャート分析程度かと。1か月下がり続けている状態なので、RSIは19.37となっていてテクニカル的にはほかの要素も含めて買いといえます。後はバイオでは常に不安材料として付きまとう増資問題ですが、おそらくオンコリスは大丈夫なんじゃないかなと思います。それなりにお金もってるしそれなりにマイル収入の見込みがあるはずだと信じたいところです。しかし、バイオ株の怖いところは地合いと雰囲気に一気に引っ張られるところです。6月上旬にピークを迎えていたバイオ株全般の動きは、他の株よりも下げ基調になっていて、マザーズや日経が上がってもバイオは下がるとう状況が続いています。そして、マザーズは3月から上げっぱなしでいつ落ちてもおかしくない状況で高値圏をうろうろしています。その背景にはアメリカが金余りで実態を無視した上げっぱなしの状態となっているからです。

コロナ前より上がっているマザーズ
  • コロナで世界中めちゃくちゃ
  • 米中摩擦がまたきな臭くなってきた
  • 中国のダムがヤバイ
  • 企業の決算にコロナが反映され始める
  • 雇用統計のインチキが8月はがれるかも
  • 信用買い残多すぎ
  • 材料出尽くし

そんな状況で不安材料は上記のように目白押し。何かをきっかけにこのところ上げ過ぎたアメリカ市場が暴落→マザーズ崩壊→バイオ全滅という流れが数週間以内に起きそうでとても怖いです。個別企業のポテンシャルや事情を無視した無慈悲な状態に陥る可能性が往々にしてあると考えています。なので、いつもは利確出来ない病のこんな僕でも6月一度利確したわけですが、オンコリスは前より多く買っちゃったんですよね。そんな不安が的中せず何事もなく会心のIRが出て爆上げしてくれればいいのですが、週明けも地合いが悪く下げそうですね。

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